臨床研修医の声

 2020年度

順天堂大学本院 杉野 麻帆 (2020年5月研修)

1ヶ月間、大変お世話になりました。至らない点ばかりでしたが、温かく指導してくださった先生方や病棟・外来のスタッフの方をはじめとし、多くの方々に支えられて地域医療研修を終えることができました。大学病院とは大きく環境が変わり、浅はかな知識と経験から自分で判断する場面も多く、戸惑いもありました。しかし目の前の患者様のこれまでの人生の背景や今後の生活のことまで考えて、型通りではなく、時にはご本人やご家族ともよく話し合い、お一人お一人に合った医療を提供することの面白さに気づかされました。私のような駆け出しの研修医でも、患者様やご家族にとっては一人の“医師”であって、主治医として信頼してくださり、大きな自信に繋がりました。また毎週乳腺外科のオペにも執刀医として参加させていただき、大変貴重な経験となりました。この銚子で過ごしたとても濃厚な1ヶ月は、私の医師人生において忘れられない大切なものになると確信しております。短い間でしたが有難うございました。

順天堂大学本院 山里 怜央 (2020年5月研修)

地域研修の研修先病院を決める際、島田総合病院での研修は「主治医として、外来、病棟管理、ICも全部やる」と先輩方から伺っており、それを聞いたときは「自分には絶対無理だ」と思ったものでした。ですが日々の大学病院での研修中、自分で考え、自分で判断するという機会はほとんどなく「このままではいけない!」と思い、勇気を出して島田総合病院に希望を出しました。大学病院で1年間研修をした上で挑んだ島田総合病院での研修でしたが、1ヶ月研修をさせていただき一番痛感したことは「自分がこれまでの研修をいかに何となくでやっていたか」でした。大学の病棟で経験のしたことがある問題でも、いざ自分だけで対応しなければならないとなると、多くの疑問が生じ、右往左往してしまいました。これまでなら他科にコンサルトしていたような問題も、ここでは自力で対応しなければならず、冷や汗をかきながら必死で調べごとをしていました。その度に、常勤の先生方や先行医の先生方は、適切なご助言やご指導を下さり、そのお陰で自分だけでは対応できなかった問題も何とか対処することができました。このような経験を繰り返す度に「限界を超えたときに成長がある」という院長の言葉を痛感しました。この1ヶ月での成長は、今後の医師生活の中で、何度も振り返るものであると思います。ここでの学びを、銚子の美しい景色や、おいしい海産物と共に、しっかりと記憶に刻み、今後も研修に励んでいきたいと思います。

順天堂大学本院 大谷 瑠果 (2020年6月研修)

1ヶ月間、大変お世話になりありがとうございました。これまでは上級医に従って行動するばかりで、自分主体となって治療を進めるという経験は今回が初めてでした。そのため始まる前は不安な気持ちでいっぱいでしたが、島田総合病院の先生方はじめ、様々な業種のスタッフの方が大変温かくサポートしてくださり、段々と緊張も解けてしっかり患者様と向き合う心の余裕を持つことができるようになりました。
医学的知識からコミュニケーション能力に至るまで学ばせていただくことが多く、一方で改めて自分の力不足を痛感する毎日でした。自分はこれからどんな医者になりたいのか、その為に今何が足りないのか有耶無耶になっていた部分がすっきり整理されたような気がします。ここでの経験を活かして、今後の研修生活、その先の医者人生をより充実したものにしていきたいと思います。

順天堂大学浦安 室谷 修平 (2020年6月研修)

主治医として患者さんの診療の全てが自分の肩にかかっているという1ヶ月は緊張感もあり、また日々多くのことを学ばせていただきました。先ず、患者様本人はもちろんご家族とも綿密にコミュニケーションをとるよう心がけました。治療方針の決定だけでなくソーシャル面の調整についても自分の意見で決めていくのはやりがいもありましたが責任を感じました。麻酔科志望の自分にとっては、手術中挿管から抜管まで全て自分のタイミングで判断し麻酔をかけさせていただくという経験も大変刺激になりました。何事にも自分の考えを持つことが必要とされ、ガイドラインを調べながら探り探りの日々でした。また、看護師さんはじめ親切なコメディカルの方が多く、我々研修医の疑問に対する的確な助言には助けられてばかりでした。ご指導ありがとうございました。今後皆さんともし同じ職場で働くことがあれば、正々堂々肩を並べて医療に当たれるよう、精進していきます。いずれも大学病院ではなかなかできない貴重な経験ばかりで、有意義な日々を過ごせました。1ヶ月間ありがとうございました。

順天堂大学練馬 土田 舜太 (2020年8月研修)

1ヶ月あっという間に過ぎてしまいました。外科の先生方と非常に相性がいいようで。僕が入るオペは手術時間が長くなり、緊急手術が立て続けに入り、想像以上でしたが、とてもいい経験になりました。(先生方にはいい迷惑だったようですが…)。緊急手術では初めて第一助手をさせてもらい、反省点も多々見つけることができました。いろいろな色の液体を浴びながら、外科の醍醐味に触れた気がします。とても楽しかったです。手術後のご飯とビールとても美味しかったです。ありがとうございました。
内科に関しては、外来業務、入院管理、訪問診療、退院から御看取りまで、幅広く経験させてもらいました。島田総合病院の先生方、看護師の方々にはリードしてもらい助けていただいたおかげで、なんとかやっていけました。特に訪問診療では実際の患者さんの家での生活像を直接見ることができ、地域医療の暖かみを殊に感じました。知識も経験も足りない研修医という立場で、貴重な経験をさせていただいた院長、島田総合病院のみなさまに本当に感謝しております。1ヶ月間ありがとうございました!

順天堂大学静岡 竹内 幹 (2020年10月研修)

私は島田総合病院で大学病院では味わえない貴重な経験をさせていただきました。
主治医を初めて経験させていただき、病気を治すだけでなく患者様の生活背景まで考えた治療をしないといけない難しさを感じました。今後の方針を決定するのに家族と多くのお話しをさせていただき、患者様のすべてを診ることを心がけることができました。また、自ら治療方針を決めるのは非常に恐怖でした。
この恐怖の原因としては自分自身の知識・技術不足と経験の浅さだと感じさせられました。残りの研修医生活を有意義にするための良い刺激とすることができました。この経験を今後の医師人生にいかしていきたいと思います。

順天堂大学本院 宮木 貴之 (2020年11月研修)

大学病院での研修と異なり不慣れなことも多く、医局の先生方や専攻医の先輩方、同期の研修医や病棟の看護師さんをはじめ多くのスタッフの方々に支えられなんとか1ケ月乗り切ることができました。診断から治療後の方針までマネージメントする機会を頂き、自分としては張り切って臨んだつもりだったのですが、実際は力不足を痛感することとなり落ち込んだ瞬間もありました。ただ患者さんを総合的に評価し、ベストな答えをひねりだすというプロセスを通じ改めて医療とは何か考えることができました。自分にとって地域研修は視野を広げられた大変貴重な機会だったと思います。1ヶ月と短い間でしたが大変お世話になりました。ありがとうございました。

患者様へのお願い

「研修医の先生ではちょっと…」と思われる患者様も少なくはありません。
気持ちはわからなくはないですが、それを皆が言っていたら「学ぶ機会、経験を奪われ、今後患者を見る1人前の医師はいなくなる」という事態になります。
“医療を維持する”意味で研修医の受け入れは病院にとっても、患者様にとっても重要な時代だと思います。
どうか、ご理解のほどよろしくお願い致します。